▼ザンビアにおける細菌性人獣共通感染症の分子疫学的調査

<背景>
 本プロジェクトではペスト、炭疽、ブルセラ症など細菌性の人獣共通感染症の調査研究を行っている。家畜以外にも野生動物がこれらの病原体の保有動物となっていると考えられており、ザンビア国内ではカバをはじめとした野生動物の不審死が数多く確認され、その原因として炭疽が疑われるなど、野生動物にとって細菌感染症が脅威となっている。

<活動>
   ペストに関してはナムワラ周辺地域での発生報告があり、2005年以来げっ歯類動物と付着しているノミを採取し、ペスト菌(Yersinia pestis)の検索を行っている。現在までにペスト菌遺伝子は検出できていないが、Q熱の原因であるCoxiella burnettiなどが検出されている。
 また、2011年ザンビア東部州において300件を超えるヒト炭疽と疑われる症例が報告されたことから、炭疽分子診断法を導入し、炭疽の確定診断及びその感染経路の解明を進めた。感染患者が接触した動物(カバ)及び周辺土壌サンプルから炭疽菌が検出、単離され、感染者が居住する地域の炭疽菌汚染が広範囲にわたることを明らかにしてきた。現在、ザンビアにおける炭疽対策に協力するため、ザンビア国内の野生動物、家畜および土壌を対象とした炭疽菌汚染の調査を進めている。

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